何やら難しい言葉に見えますが、お客様の「こうしたい!」というご要望から『どのようなシステムをつくりたいのかを定義すること』です。
開発前のオーダーメイドシステムは、まだお客様の中に要望としてあるだけです。そのため、本来『要件定義』はシステムを作りたいお客様が行うのですが、時間が取れない、社内SEが常駐していないのでわからないといった様々な理由から、お客様ではなくシステム開発会社が対応することが一般的です。
要件定義を行う前に、お客様の社内からシステムに対する要望、目的をできるだけ広く収集します。
この社内要望の集大成から、システムには「何が必要か」をまとめたものが『要件定義書』です。
開発者は『要件定義書』を元にシステムを設計していきます。
つまり、『要件定義書』はお客様とシステム開発者がどのようなシステムを構築するかを合意するための書類ともいえます。
要件定義書に間違いや曖昧な部分があると、お客様の要求、要望を満たせないシステムになりかねません。
要件定義書は「システム化要求」ともいわれ、お客様と開発者が「システムに対する要望はこれで間違いありません」と確認するための重要な書類です。
だから、たとえ要件定義書に合意していても内容に間違いがあれば、これを元に作られたシステムは不備や不満を生む可能性が高いのです。
しかし、初めてシステム開発するお客様の中には、要件定義の内容を理解できずに「Goサイン」を出してしまい、使えないシステムになってしまうことが少なくありません。
これを避けるには、お客様と開発会社でしっかりコミュニケーションを取ることが大切です。
本来システムを必要とするお客様が行う要件定義を開発会社が行った場合、当然その対価は開発費に上乗せされます。
要件定義書には、
といった目的があります。
そのため、間違いの無いよう時間と労力をかけ、お客様と開発会社で何度もコミュニケーションを重ねて要件定義書を作成します。
お客様の業務内容や仕事の流れを理解する時間も必要となり、業務規模に比例して要件定義に時間が増えていきます。
要件定義にかかる工程は、システム開発工程全体の「10%~40%」くらいかかることも。
要件定義書の目的は『どのようなシステムをつくりたいのかを定義すること』です。お客様がオーダーメイドシステムに求めること、
こういった要望をまとめていただくことは、要件定義費用を抑えるのに有効です。
帳票などの手書きレイアウト、要望の箇条書き、こういったものでお客様のシステムに対するイメージをお伝えください。
逆に、このようなイメージができていないなら、開発者が要件定義に時間をかけ、お客様のシステムイメージを具現化する必要があります。
当社では、お客様の要件定義を軽減する開発プランや、要件定義書作成サポートをご用意しています。
【要件定義書作成サポート】
要件定義でお困りなら、当社でお客様のご要望を伺い、要件定義をお手伝いいたします。
また、ご要望があれば『要件定義書』作成も代行いたします。
費用は、1時間あたり15,000円(税抜)。
システムの規模や煩雑さ、定義書作成の有無によって対応時間が変わります。
お気軽にご相談ください。
要件定義書の目的は、
などです。
これらの必要性が無い場合には、
という開発も一つの手法であるといえます。
例えば、システム運用後の保守改修も同じ開発会社が行うなら、書類は不要かもしれません。
要件定義の工程は、システム開発全体の10%~40%程度になります。
要件定義の書類を詳細に作り込めば作り込むほど、時間=コストがかかります。
要件定義の目的は、『どのようなシステムをつくりたいのかを定義すること』ですので、詳細な書類を目的とせず、メモ程度にしておく、メールを残しておく、といったことも効率的、かつ、リーズナブルにシステム開発する手法となりえます。
大前提として、「プロであれば要件定義書を残すもの!」というのが、システム開発会社の意見の大半です。
当社ももちろん、要件定義は開発に欠かせないものと考えています。
しかし、重要なのは『要件定義』なのに『要件定義書作成』が目的になってしまっている場合も少なくありません。
要件定義を要件定義書にまとめ上げるには、お客様と開発者両方の時間=コストがかかります。高額な開発者コストを削減できれば、システム開発費は大幅に削減できます。
大規模開発であれば要件定義は不可欠ですが、少人数で開発する小規模システムであれば、お客様の要望をメモ程度にまとめる、または、要件定義書を作成しない開発手法も一つの選択肢かもしれません。
要件定義とは、必要な機能やお客様の要求・要望を、開発に必要不可欠な項目へとまとめていく作業です。必要に応じて、画面遷移図等も作成します。
しかし、実際の機能や集計レポートを見てみないと『実感できない』『次のアイデアが出てこない』というお客様は非常に多いです。 中小企業がオーダーメイドシステム開発にコストを割けないのも、この「目に見えないシステム開発」に踏み出せないことが原因かもしれません。
FileMakerは複数の技術者による共同開発や大規模システムの開発には不向きな面もありますが、小回りの利く開発環境は、小規模な機能追加の繰り返しや集計レポートの柔軟性に大変優れています。 この特徴を最大限に活用し、実際に機能やレポートを体験しながら改善・追加していくことで、お客様の要求や要望をさらに具体的に引き出すことができるというメリットがあります。
まずは、開発担当者にご要望を余さずお話しいただき、必要不可欠な機能や集計レポートから拾い上げて作り始める。要件定義もシステムを作る中でまとめていくことは、効率的なシステム開発方法であると当社では考えています。
既存システムのテーブルやスクリプト、リレーションなどデータベース定義の解析作業が不要な場合。例えば、フィールドを一つ追加したりレイアウト(見た目)を変える修正などは、時間制の方がお安くできます。
解析作業が必要な修正は、システム規模や処理の内容により時間制よりも、作業時間(工数)のお見積りを作成する請負制でのシステム修正をお勧めいたします。
複雑でない
小規模
解析不要
レイアウト追加
等は時間制がお得
要件定義書やマニュアル等の書類が不要なら、時間制をお勧めいたします。 お客様がマニュアルを作成する場合なども時間制がお得です。
FileMakerの特徴に画面が作成・修正しやすいことが挙げられます。それなのに、レイアウト画面に手を入れたらスクリーンショットをお客様にメールで送り、お客様は確認したらメールで返事する。このようなやり取りの繰り返しは、修正が簡単であればあるほど無駄な作業です。
お客様と開発者が画面をインターネット上で共有し、その場でレイアウト修正の指示を頂けるのであれば、作業時間を大幅に削減できます。
お客様が出したご指示が、目の前でシステム画面に反映されていく。これが『ライブ開発』です。
当社の時間制プランでは、お得な『ライブ開発』をご用意しています。
時間制の場合には、動作テストをお客様にご対応いただいています。
テストを当社で対応する事も可能ですが、時間制の場合はテストの時間も課金されてしまうため、改修後の運用でお客様に確認していただき、バグや使いづらい箇所があるときだけ再度、修正・改修のご依頼をいただく方が効率的かつ費用を抑えられます。
大規模なシステムや複雑なシステムの場合は、お見積り費用の中にテストまで含まれますので、請負制の方が適しています。
※準委任契約について
時間制は「準委任契約」です。契約は作業にかかった費用のお支払いのみが対象となり、完成したシステムなど成果物は含まれません。また、バグなどの瑕疵対応も対象外です。
一方、請負制は「請負契約」となるため、完成システムが成果物となり、バグなどの対応も契約に含まれます。
当社では一律に全ての開発を請負制にせず、こういった違いを活かしたプランをご用意しています。
一般的にシステム開発や改修は「請負契約」が一般的です。
お客様からご依頼を頂いた場合、開発会社は見積もりにあたって何が必要かを考えます。
以上のように、請負制によるシステム開発では、
請負契約の場合には「成果物の完成」契約内容とするものですから、開発会社は「不確実性のある工程(工数)がどの程度発生するか?」を考慮し、『予備費』として見積もりに含めます。予備費があらかじめ工数の何パーセントと決まっている見積方法があれば、そのときの条件次第で決める見積もりもあります。
一例として、お客様が「実際に画面を操作してみないとデザインにGoサインは出せない」とおっしゃるなら、画面修正が何度発生するかは事前にわからないため、予備費を考えます。
「画面のデザインに凝りたい」というような場合も同様です。
お客様が「画面を見て操作をしてみなければわからない」というのは当然のことです。
このようなお客様の意見と、やり直しに対する予備費が必要と考える開発会社側の意見があります。
不確実性に関する予備費の問題はこの辺りにあり、ドキュメント(書類)でのやりとりを何回もして画面をつくるのは限界があり、非効率的でもあります。
FileMakerは画面や帳票などのレイアウト修正に優れています。
この強みを活かし、オンラインミーティングでお客様と開発者が画面を共有しながらレイアウトを修正することで、予備費の問題を解決できます。
お客様と画面についての書類を何度もやり取りしてメールや電話で打ち合わせするより、ずっと効率的で効果的です。
このような方法が取れる小規模な修正なら、請負制ではなく時間制をお勧めします
メリット | デメリット | |
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時間制 |
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請負制 |
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システム開発業者が勧めるがまま「機能を満載した」ものの、業務効率が一向に改善しないというお客様も少なくありません。
開発業者の中には、機能を追加することで利益につながるからと、「あれもこれも」と機能を勧めてくる会社もあるようです。
当社では一気に機能を追加するのではなく、一歩一歩着実に機能を使いこなしてから次の開発をご発注いただくことで、無駄な機能にお金を使わないようにしていただいています
オーダーメイドのシステム開発の費用は、ほとんど人件費で、決して安いものではありません。
使えない機能はお客様の開発にかかる費用と時間を無駄にするだけでなく、使えない機能を使用する社員の負担も発生させます。
使えないシステムを導入して現場に見えない負担がかかり、残業費等のコストが増大するだけならまだしも、上長はシステムを入れたことで残業を認めず、結果として優秀な人間から退職していったという事例もあります。まさに負のコストです。
当社は、必要な機能をひとつひとつ導入していくことをお勧めいたします。
システム開発が決まったら、システムを利用する全部署から要望を集めます。
要望を一通り出しきったら、機能の内容と重要度を精査します。
複数の部署からの要望や、重複しているものがあればまとめて、優先順位をつけていきます。
<POINT>ここまでまとめるのは大変のように思われますが、このステップをお客様に行っていただくことで費用を抑えることができます。
<部署1> | <部署2> |
---|---|
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まとめてみると、重複する機能「顧客管理」「見積管理」「請求管理」は優先順位が高く、次いで機能が無くてもすぐには業務に支障の無い「営業カレンダー」「メール管理」「タスク管理」の順となりました。
これらの機能を開発者が実装するにあたり、必要な作業時間(工数)を以下のように見積もりました。
<初回実装機能>
顧客管理 実装工数5時間
見積管理 実装工数7時間
請求管理 実装工数7時間
実装工数計 19時間
テスト 4時間
合計 23時間
<初回実装機能のブラッシュアップ後に実装機能>
営業カレンダー 実装工数8時間
メール管理 実装工数3時間
タスク管理 実装工数10時間
実装工数計 21時間
テスト 7時間
合計 28時間
お得な時間制(FM39とタイムチャージ制)と定額保守プランの併用
予算を抑えつつ、無駄のないシステム構築が可能
<初回実装機能>
FM39とタイムチャージ制を併用して実装します。
FM39 39万円(作業20時間)
タイムチャージ制 1時間15,000円×作業3時間=4.5万円
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計 43.5万円(作業23時間)
<初回実装機能のブラッシュアップ後に実装機能>
システム稼働後に初回実装機能の精査をしながら、毎月定額の保守プランの中で機能を追加していきます。
機能追加月3時間保守プラン 月額3.5円×12か月=42万円
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全機能 小計85.5万円
予備費54,090円(本予算例に弊社予備費係数をあてはめて算出)
消費税 90,909円
—————————————
総額99.9万円
要件定義書や画面遷移図をお出ししても、システムをイメージしづらいと言われることが多々あります。
こんな時、モックアップ(見本)があるとシステムのイメージが明確になり、
「もっとこうしたい!」
「ここはこうしておいてほしい!」
といった意見が、現場からバンバン出るようになることがあります。
システムの必要機能をまとめるにあたり、お客様には最初にシステムをイメージしていただきます。
お客様は要件定義書や画面遷移図を見て想像するわけですから、どうしてもお客様と開発者とのイメージの齟齬は発生してしまいます。
そのため、書類どおりに製作したシステムを納品しても、実際に使っていただくと「使いづらい」と言われることも少なくありません。
こうなると、仕様変更、手直し、やり直しが発生します。
「書類を見てお客様は同意しましたよね。つまり、契約どおりに制作しているから変更には費用がかかります!」というのは開発者側の言い分としては理解できますが、お客様の立場からすれば「使ってみないとわかるはずがない!」となるのもよくわかります。
しかし、ここに「非効率」「無駄な作業」が発生していることは明らかです。
特に、リリースしてから現場で使いづらいという意見が出て、それを無理に使わせようとすることで社員にストレスが溜まり、結局退職者が出るのでは、何のためのシステムでしょうか。
このような非効率、無駄を避けるには、最初は小さなシステムから始めるか、モックアップ版のシステムを製作することです。
これらを使いながら迅速にシステムを改善していくことで、仕様変更、手直し、やり直しを最小限に抑えながら使いやすいシステムに育てていくことができます。
FileMakerでの開発は、お客様と打ち合わせしながら小さなサイクルでシステムをどんどん改善していけることが大きなメリットです。
結果として、開発の無駄を削減できます。
モックアップ=形になったシステムがあると、システムに慣れていない経営者や社員の方も「これはいい!」から始まって、次に「もっとこういう風にできないの?」といった意見を出してくれるようになります。
システムの形が見え、その便利さが伝わるので、次の開発に向けた稟議も通しやすくなります。
モックアップ版とは、機能を省いたシステムのデザイン(見た目)をつくった試作品の事です。
モックアップ版があるとイメージが鮮明になります。
「このボタンを押すとこの集計印刷レイアウトが表示されます」
「このチェックボックスを選択するとこのように集計機能が動きます」
など、実物を目で見てイメージできます
FileMakerの強み、特徴は、レイアウトの作りやすさや機能の追加のしやすさです。
打ち合わせをしながらFileMakerシステムを作り上げていくことで、その打ち合わせで作ったレイアウトや機能がそのまま使えることもあります。これは大幅な制作工程の効率的に繋がります。
ExcelやPDF、メールでやり取りをしている時間があるなら、画面共有をしながらその場でシステムを作ってしまうのは、何よりも効率化となります。